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2014年 04月 15日

こどもにとっての歯医者さん

 

 

最近の学校歯科検診で浮き彫りになっていること、それは『格差』だといいますね。

歯科矯正の器具が装着され月イチでフッ素塗布、と管理されたお子様、かたや野放しで虫歯だらけの放置し放題のお子様、と分かれるという

ことをよく聞きます。前者は問題ないとして、後者は社会問題です。。

しかし前者だって余裕のよっちゃんでそうしているわけじゃなく、親御様の苦労の末なのですよね?

 

あ、どうも、歯科衛生士の大友尚子です。

この回で小児歯科のうんぬんを『説明』するつもりはありません。自分の『こどもさん』への向き合いかたがテーマですよ。

 

自身の話で恐縮ですが、何を隠そう子供の頃、体の虚弱だったわたしは、内科はもとより、眼科、耳鼻科、歯科、病院通い、入院が日常でした。

小学校の修学旅行には行けなかった始末です。。

ベッドから見上げる両親の心配そうなカオ、というのが日常でした。

ちょっとした事でぎゃん泣きの私でしたが、メディカルの先生陣はみな優しく、看護師さんも友達同様に考えていたわたしは、ことさら歯科が大好きでした。

当時通っていた歯科がたまたまアメリカ人オーナーのなんだかオシャレな(絨毯敷きの玉砂利with観葉植物&クラッシックBGM)マンモス歯医者さんで、(けど別にフツーに保険診療)、白っぽくて薬臭い総合病院の内科より断然、行くのが子供心に楽しみでした。好きな絵本や、見たことないオシャレな洋書が並ぶ本棚が目当てでもありました。。ドクターも、歯科衛生士さんも助手さんも、かぶりもので喜ばせたり、意味の無い赤ちゃん言葉でごまかしたりしない、きちんと扱ってくれる歯科でした。

 

虫歯だらけのわたしは、保育園が終わると一目散にひとりでクリニックに向かい、カウンターのおねいさんにベレー帽を預け(別に預ける必要はないのだけれど)、ソファーに駆け込みお気に入りの『ねないこだれだ』(せなけいこ著)を読みふける。毎度『よなかに遊ぶ子はおばけにおなり』のくだり、ゾーーーッ、タハーーーっとなっている所でお呼びがかかります。

まずは、当時珍しい歯科衛生士さんの個室で、はぶらしやらその日の出来事やらお話して、それからドクターのユニットに移動です。

麻酔の注射も虫歯治療も、泣き言ひとつ言わないわたしは、誉められ、たいそう可愛がられましたので、自然と自身の居場所感、みたいなものを

感じていたのでしょう。その頃から私は歯科衛生士になるものだと思っていました。一般的な流れ作業の、AMラジオ、もしくはUK,USAヒットチャートがBGMの(ま、今では夢中ですが)感じの悪い受付さんのいる『ハイシャ』ではこうはならなかったでしょう。憧れは生まれなかったでしょう。(ただしニッポン放送は今も昔も最高ですけどね)

 

こどもは直感で反応しますから、親御様がどんなにほめすかし脅しても、アンパンマンの勇気を見習わせても、いやなものはいやなのです。痛いのに無理されたら一生恨みます。

わたしがいっさい強制されずに歯科に通ったように、いろんな話をして自己を認めてもらったように、どうでもいい雑談がいっぱいできたら

それでもういいのです。そんな歯科でありたいと思うのです。

だましだましでいやいや治療よりも、定期検診にちゃあんと来て、ぱかっとお口を開ける子になってほしいものです。

『おかあさん、わたし明日歯医者さんだよ?』なーんていうお子が増えたらきっとわたくしは成仏することまちがいなしでしょう。。

 

当院ではそんな志の歯科衛生士がなんと奇跡的に4人も常駐しております!

 

さあしかし、その子といっぱいおしゃべりをして、親御様とも色々お話して、色々わかってきて、それでも単なるわがままなどでグズっている、なんとなくダダをこねてみている、などのネムッタイことをぬかしていると知れたときには容赦しません。ブチきれて本人の本当のやる気をださせますよーー!はっきりいって!だって出来る子だって知ってるもん!

 

実際のところ、わたくしが若い頃診ていたお子様が、わたしがブチ切れたり、あるときは恋愛相談したり、そんなこんなで『結局、歯科衛生士になりました。』って子が3人くらいいまして、キヒヒ、しめしめ。うまいことこっちの世界にひきこんでやったぜ。

と思っている今日この頃です。。。

っていうかヤバっ、そんだけ歳いってるってことか!!!

っていうね。

 

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