親知らず抜歯症例
2024年 06月 09日

親知らず症例 神経に近い親知らずを、歯冠除去術(コロネクトミー)で抜歯して欲しい。

年齢・性別

40代・女性

来院動機

左下の神経に近い親知らずを抜歯して欲しい。
他院では、神経麻痺が出る可能性が高いと言われたので、もっと安全な方法で抜いて欲しい。

治療内容

Before

治療前のレントゲン写真

左下の親知らずの抜歯を希望されて来院された患者様の初診時レントゲン写真。
他院さんで親知らずと神経が近いために、神経損傷のリスクを指摘されていました。

治療前のCT写真

3次元のCT写真による診断でも、ガッチリ親知らずと神経(紫色の部分が神経です)がくっついています。
このようなケースでは「歯冠除去術」が非常に有効となります。

治療内容・説明

親知らずと神経との距離が近いため、一度に抜こうとすると神経を傷つけてしまう可能性があったため「歯冠除去術」提案しました。
文字通り、親知らずの上半分にあたる『歯冠』だけを切除(抜く)するテクニックです。
神経と近い親知らずの下半分『歯根』にはノータッチなので、神経損傷が生じる可能性を0に近づけることができます。
「歯冠除去術」を行なった後に、顎骨の中にあえて残してきた『歯根』が移動してこない場合は、それで終了です。

抜歯後のCT写真

「歯冠除去術」終了後のCT写真。
神経と癒着している可能性のある『歯根』だけを残して、痛みの原因となる『歯冠』のみを抜歯しました。

After

抜歯後のレントゲン写真

歯冠除去術」から5年後のレントゲン写真。
このように全く『歯根』が全く前方に移動してこない場合は、あえて『歯根』を抜く必要はなく、治療終了となります。

Dr.より

「歯冠除去術」を行なった後には、定期的な経過観察が必要となります。
あえて残してきた『歯根』が動かない場合は、追加の処置は必要となりません。
『歯根』が動いてきた場合は、「親知らず抜歯2回法」に移行します。

症例の治療に必要な標準的な費用

親知らずの抜歯・CT・抜糸など親知らずにかかる費用は保険適応になっています。

副作用・リスク

術後、痛み・腫れが出ることがあります。
だいたいの場合は徐々に落ち着きますが、痛みが強くなったり痛み止めを飲んでも効かない場合は対応させていただきます。

この記事を書いた人
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くげぬま海岸歯科クリニック スタッフのブログです。

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