インプラント症例
2024年 09月 01日

インプラント症例 骨が足りない方へのショートインプラント治療。

年齢・性別

20代・男性

来院動機

左上の奥歯2本を失ってから放置している。
他院さんでは、骨を造る手術(サイナスリフト)が必要なため、大学病院を紹介すると言われ、躊躇しているうちに時間だけが経過してしまった。
また、奥歯を失ってから全体的な噛み合わせの調子も悪く、診て欲しい。

治療内容

事前の精密検査

初診時のレントゲン写真

左上の奥歯がありません。

初診時のCT写真

骨の厚みは3ミリほどしかありません。
他院さんでは、サイナスリフトを行なってから、長さ10ミリのインプラントを埋め込む治療計画だったようです。

初診時の口腔内写真

他院さんではサイナスリフトと呼ばれる大規模な骨を作る手術を提案されていました。
サイナスリフトは術後に痛みと腫れを伴うため、患者様はインプラント治療に踏み切ることが出来ず、2年以上奥歯がない状態のままでした。

治療方針

上顎でも下顎でも、骨が充分にある場合のインプラント治療は簡単です。
問題は骨がない場合となります。

骨がないことへの対処法は、シンプルに言ってしまうと次の2つしかありません。
①骨を作って(増やして)から、インプラントを埋め込む。
②短いサイズのインプラント(ショートインプラント)を使用する。

骨量が少なく、上顎洞(副鼻腔)や下顎管(下顎神経)との距離が近い場合には、上記2つの手法のどちらかで対応する必要があります。
私自身のポリシーとして
①骨を作って(増やして)から、インプラントを埋め込む。
ことは行なっていません。

骨を作る手術を行うと、
・患者様に与える痛みが増大する。
・オペ回数が増えてしまう。
・治療期間が長くなる。
・治療費が増えてしまう。
・人工的に作った骨は10年後には全て無くなってしまうこともある。
以上のようなデメリットが存在するためです。

骨を手術で無理に増やすのではなく、ショートインプラントを患者様のもともとある骨(既存骨)に埋め込むことで、
・痛みや腫れを患者様に与えない。
・オペ回数は1回のみ。
・治療期間は3ヶ月。
・治療費は安く。
・10年後も骨量に変化がない。
と、メリットしかないインプラント治療を患者様に提供できます。

当院では、患者様への負担を最小限に減らしたインプラント治療を行なっております。
当院のインプラント治療のコンセプトに共感した方からの、ご相談をお待ちしております。

サイナスリフトのイメージ図。
上顎洞(副鼻腔)の側方に大きい穴を開けるため、術後は顔面全体が腫れてしまうリスクがあります。
また、治療期間が1年近くかかってしまうのも、患者様の大きな負担となってしまいます。
ソケットリフト
当院での治療計画のイメージ図。
長さ7ミリのショートインプラントとソケットリフトを組み合わせことで、痛みと腫れもなく、治療期間も3ヶ月で済みます。

オペ中の口腔内写真とCT写真

オペ前の口腔内写真。
まずメスで切開していきます。
ソケットリフト時のドリリングのイメージ図。
ドリルを正回転で回すのではなく、逆回転で回していきます。
ご自分の骨が、上顎洞底に運ばれ、人工骨を使用することなく、安全に上顎洞粘膜を挙上することができます。
今回の症例では直径4.5ミリ長さ7ミリのショートインプラントを使用します。
手前側にショートインプラントが埋め込まれました。
奥側にも同様にドリルを逆回転で回しながら、インプラントを埋め込む穴を作ります。
奥側にも、インプラントが埋め込まれました。
インプラント埋入後のCT写真。
インプラント先端部には薄い骨が出来ていることが分かります。
インプラントに歯肉治癒のためのパーツをセットし、縫合して治療終了となります。

治療後のレントゲン写真

治療スタートから3ヶ月後のレントゲン写真。
適合に問題がないことをレントゲン写真で確認します。
治療スタートから2年3ヶ月経過後のレントゲン写真。
無理にサイナスリフトで骨を作らなくても、インプラントは安定しています。
なお、インプラント治療後に、全体の噛み合わせを矯正治療で整えています。

治療後の口腔内写真

治療スタートから3ヶ月後のレントゲン写真。見た目と機能性に優れた、美しいセラミック歯(インプラント上部構造)が入りました。
治療スタートから2年3ヶ月経過後の口腔内写真。
前歯裏のワイヤーは矯正治療の保定装置となります。
インプラント治療と矯正治療で、完璧な歯並びになりました。
初診時の写真と比較すると、矯正治療で「すきっ歯」が治ったことがわかって頂けると思います。
インプラント治療に3ヶ月、矯正治療に2年、合計2年3ヶ月で全ての治療が完了しました。

Dr.より

私は、痛くない・腫れない・治療回数が少ない・治療期間が短い、患者様の負担を最小限にしたインプラント治療を得意としています。
また、当院には日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているため、インプラントと歯列矯正のハイブリット治療も承っています。
他院や大学病院でも対応できないと言われた方への治療実績もたくさんあります。
インプラント治療が怖くて踏み切れない方へも、辛くない治療しか提案しませんので、ご安心下さい。

症例の治療に必要な標準的な費用

合計990,000円(税込)

ショートインプラント2本→880,000円(税込)
《1本あたり440,000円(税込)》
ソケットリフト2本→110,000円(税込)
《1本あたり55,000円(税込)》

*インプラントの治療費のみ、全体の治療費はこちらをご覧下さい。

主なリスク・副作用

インプラント治療には「腫れ・痛み・違和感・出血・感染」などのリスクがあります。
また、稀にインプラントと骨が結合しないことがあります。
もし万が一、インプラントと骨が結合しない場合は、すぐに再埋入手術を無料で行わせて頂きます。

施術名

インプラント治療

施術の説明

インプラント治療とは、歯を失ったところにチタン製の人工歯根を埋入し、新しく歯を再建する方法です。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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