院長ブログ

院長 三浦 陽平

2014年 06月 28日

歯周病①

歯周病もしくは歯槽膿漏という言葉を知らないという人はいないと思います。ですが、その実態については「よく分からないなあ」という方がほとんどではないでしょうか?昔は歯槽膿漏と呼ばれていましたが、現在は歯周病という病名で統一されています。歯を支えている周りの骨=歯槽骨が、少しずつ無くなっていく病気です。ただ歯茎が腫れてしまうだけと勘違いされている方も多いのですが、実際には腫れたり膿んでしまった結果として骨がどんどん減ってしまう恐ろしい病気です。しかも、ゆっくりゆっくり進行していくので、なかなか症状を自覚できません。ある日「なんか歯がグラグラするなあ」「ご飯食べるときに痛いなあ」となったら、既に重傷です!!!軽度であれば治療は容易ですが、重度だとなんせ土台の骨がないので抜歯するしかないことも多々あります。

歯周病の原因は①歯磨き不足で汚れが残っている、②歯ぎしり・くいしばり、③喫煙、とくに①であると言われています。予防方法は簡単です。毎日しっかり寝る前に歯磨きをして、3ヶ月に1回は歯科医院で歯科衛生士さんにクリーニングをしてもらう。たった、これだけです。そんなに歯科医院に行きたくないという人もいるかも知れませんが、クリーニングは全く痛くないし、とってもスッキリ気持ちよくなれます。理容室・美容室に3年に1回しか行かない人は稀ですよね?大多数の人は年に何回も行っているでしょう。同じくらいの頻度で、歯科医院に行くことがポイントです。

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上の写真を見て下さい。削られている歯の周囲の骨がえぐれているのが分かると思います。奥歯がグラグラするということで来院され、歯周病検査をしたら残念ながら重度の状態でした。グラグラしていたら、削って連結するしかありません。放っておくと更にグラグラが進行していまいます。骨がなくなった分だけ根がむき出しになってしまい、しみて痛みも強いため、やむなく神経も取る処置も行いました。(重度歯周病の場合は歯を残せるか抜くかの瀬戸際ですので、便宜的に神経を取ることもあります。)

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神経を取りしみることもなくなった分、汚れも取りやすくなりました。仮歯で連結固定をし、噛み合わせの調整も行いました。喫煙習慣のない患者様でしたので、歯周病の原因に対するアプローチは全て行うことが出来た訳です。比較すると、骨が再生してきていることが分かると思います。全てのケースでうまくいくわけではありませんが、原因を取り除くだけでここまでの結果に繋がります。あと3ヶ月ほど仮歯で様子をみてから、本物の歯に置き換える予定です。

うまく治療が進んだ症例をご紹介しましたが、どんなに頑張っても抜歯になってしまうこともあります。100%治る治療法はありませんが、予防したら100%トラブルを未然に防げます。お口の中も髪の毛と同じくお手入れを怠らないで下さいね。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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