根管治療①に続き今日は歯根の治療についてお話します。
僕ら歯科に関わっている人間にとって、実は根の治療は最も難易度が高い治療と言えます。
なぜ難しいのか? それは「目で見えないから」という単純な理屈。
顕微鏡を使えば、前歯の根はストレートなので全て見れる場合も多いですが、奥歯の根はカーブしているので途中までしか見ることが出来ないのです。
どんなにCTや顕微鏡などの最新の医療機器を応用したとしても、最後は人間の手探りの感覚頼みになってしまうんですね。
奥歯になればなるほど、曲がっていたり枝分かれしている根管は増えますから、処置の難易度も増大します。
「歯がめちゃくちゃ痛い」と来院された患者様のレントゲン写真です。右の歯に大きな虫歯があったため、細菌に汚染された神経を取ることになりました。
根の治療終了時のレントゲン写真です。左側の根はカーブしていることが分かって頂けると思います。
神経を取った歯は血流が無くなってしまいますから、やはりもろくはなってしまい25年後には折れてしまうというデーターがあります。折れたら抜歯するしかないですから、歯が痛くなる前に予防処置を受けに歯科医院に来て頂くのが1番でしょう。
ですが、適切な根管治療を行いさえすれば、歯が破折しない限りはずっと温存することが可能とも言えるわけです。
見えないところほど、手間隙をかけてしっかり処置を行うのが大事なんです。