今日は、浜松町で「東京歯科大学解剖学講座の井出吉伸教授」の卒後研修セミナーに参加してきました。
今回のメインテーマは《インプラント治療の際に知っておきたい最新の解剖学》。解剖学は大学3年時のカリキュラムに組み込まれており、もっとも基本的な医学分野です。人体の構造を熟知することが、良質な治療につながるのは当たり前ですからね。
解剖学自体は古くから存在する学問ですので、毎年新しい発見があるわけではありません。ただ、日本人の顎骨はどんどんコンパクトになっていること、インプラントという新しい治療法が確立されたこと、高齢化社会により痩せた顎骨の患者さんが増えたこと、などの理由でより深く解剖学を学ぶ必要があると言えるでしょう。
講義では、このような精密な頭蓋骨を使用。リアルに見えますが、プラスチックで作られた偽物です。僕の学生時代は、スライドと紙を使ってひたすらに暗記するだけでした。今は、こうしたリアルな模型とCGで立体的なイメージを掴めることに感動です!
最近の歯科治療のトラブルとしては、舌神経麻痺が挙げられるそうです。僕の学生時代の講義では、顎の深いところを通っている神経なので歯の治療で損傷することはないと習いました。ところが現在は小顏の人が増え、そうした方の場合はスペースが足りずに奥歯近くに舌神経が走っていることがあり得るそうです。麻酔の針が神経に触れただけでも麻痺は起きてしまいます。舌神経は味覚を司っていますから、味覚異常を引き起こしてしまいます。
当院では幸いなことに舌神経麻痺のケースは0件ですが、より一層の注意をしていこうと思います。
上のイラストは未来の日本人の顔の予想イメージ。どんどん小顔になると、口の中の治療はさらに大変になりそうですね。。。