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東日本大震災での原発事故以降、歯科クリニックにおける放射線被曝を心配される方が増えました。
もちろん、過度なレントゲン撮影やCT撮影は、行うべきではありません。ただ、僕らが扱っている歯や顎骨という組織は、画像診断がどうしても必要となります。直接、目で確認することができない内部の状況も、レントゲンやCTを撮れば一目瞭然です。
健康保険でCT撮影(3500円くらい)が認可されたこともあり、より正確な診断が下せるようになりました。
では、当院における被曝量はどれくらいかと言うと
歯科デンタル撮影(小さいサイズで3本くらいの歯が映ります)
→0.001mSv
歯科パノラマ撮影(上下顎と全ての歯が映ります)
→0.005mSv
歯科用CT撮影(縦4㎝横4㎝高さ4㎝の立方体の撮影範囲)
→0.026mSv
これだけだと判りにくいので、放射線医学総合研究所調べのデーターと比較しましょう。
・肺のX線集団検診 →0.05mSv
・東京〜ニューヨーク間往復のフライト →0.19mSv
・胃のX線精密検査 →0.6mSv
・1人あたりの自然放射線(年間世界平均) →2.4mSv
・胸部のCT撮影(よく医療ドラマで出て来ます) →6.9mSv
・1度に全身に浴びた場合、血中リンパ球が減少 →500mSv
・1度に全身に浴びた場合、気持ち悪くなり嘔吐(10%の人) →1000mSv
・1度に全身に浴びた場合、死に至る →7000mSv
こう並べてみると、歯科クリニックでの被曝量はとても少ないことが分かって頂けますね!過度に放射線を怖がるのではなく、安全な範囲で画像診断を利用して頂ければと思います。