最近、他院で施されたインプラント治療のリカバリー症例が増えてきています。
転院の1番多い理由は、通院していたクリニックが閉院してしまった。2番目に多い理由が、担当していた先生がクリニックを辞めてしまった。どちらも、まあそうだよねという感じですね。
正直なところ、インプラント治療の引き継ぎの難易度は、使用されているメーカーが日本でで認可されているものかどうかに尽きます。厚生労働省から認可されているインプラントであれば、海外メーカーの製品でも正規代理店から簡単にパーツを購入できますからね。逆に、認可されていないと大変です。パーツも情報もなかなか手に入らないので。。。
今まで経験した中で最も苦労したのは、アメリカで埋め込まれたインプラント治療の引き継ぎでした。日本では流通していないインプラントメーカーの製品だったので、英語でメールを書いて個人輸入をしてパーツを揃えて何とか治療を進めました。
今回報告するのは、稀なケースです。なんと、他院で10年前に埋入したインプラントを噛めるようにしてほしいという依頼。何らかの理由で、治療を中断したままだったようです。
レントゲンを撮影してみると不自然なポジションにあるインプラントが確認できます。もともと左右の天然歯の真ん中に埋められたのでしょうが、10年間の間に右の歯が傾いてしまったのでしょう。幸いなことに、日本で広く流通しているジンマー社のインプラントでしたので、メーカーと連絡を取り合い対応することが可能となりました。
右下の欠損部に、セラミック歯が入りました。反対側と比較するととても小さい歯ですね。10年間の歯列の変化量が伺えます。筋肉と同じで使ってない部分は、萎縮して小さくなってしまうんです。
限られたスペースしかなかったので、僕も仕上がりが心配でしたが噛み心地は良好で患者様は満足されています。
今度はしっかりメンテナンスに通って下さいね!