院長ブログ

院長 三浦 陽平

2016年 11月 21日

歯をできる限り残すために。

歯をすでに失ってしまった場合は、インプラント治療で失った歯を取り戻すことを、第一選択として提案しています。

ですが、まだ歯があるならできる限り残して欲しいですよね。抜くのはいつでも出来ますから、僕が患者様の立場でも、可能性がある限りとにかく自分の歯を残して欲しいです。

抜歯にまで至る原因としては、主に以下の項目が挙げられます。

①虫歯が進行して、歯そのものが無くなってしまった。
②歯周病が進行して、歯を支える骨が失われてしまい、歯が動揺している。
③歯が割れてしまった。《歯根破折》
④歯根の病気になってしまい、根菅治療を受けてもなかなか痛みや腫れがひかない。

①の場合は、もう歯が完全に崩壊しているので、皆さん抜歯で納得して頂けます。②の場合も、完全に歯が動いていますから、抜歯を覚悟して来院されます。③の場合は激しい痛みを伴って来院されますし、レントゲンやCTで破折線が見えますから、抜歯にすぐ同意して頂けますね。

悩ましいのは④の場合です。歯の神経の治療は、根管治療もしくは歯内療法と言われます。歯が痛くなって神経を取った経験がある方は多いでしょう。実は根管治療はすごく難しい治療です。歯科医療先進国のアメリカのデータでも、成功率は60%〜90%。

インプラント治療の成功率は99%ですから、比較すると根管治療の大変さが分かって貰えるでしょう。

当院では成功率を少しでも上げるために、以下の工夫を凝らしています。

⑴口腔内の細菌数を少なくするために、歯科衛生士による歯石の除去。
⑵器具の消毒・滅菌の徹底。
⑶CT撮影で骨内の正確な診断。
⑷顕微鏡による精密根管治療。

⑴⑵は無菌状態で処置を行うためには必要不可欠になります。歯根の病気は感染症ですから、とにかく細菌数を減らすことが成功のポイントです。
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当院の自動洗浄機。お腹の手術と同等レベルの洗浄が可能となります。

⑶レントゲンでは見えないところをCTで確認できると診断の誤差が無くなります。なかなか治らない場合は、健康保険を使用して撮影可能です。《3500円くらい》

⑷顕微鏡を使用すると肉眼の20倍くらいまで拡大可能となります。
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こんな感じで使用します。覗き込んでいる画像はモニターと連動しているので、説明にも便利なんですね!
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痛みの原因だった2本の根菅がキレイな無菌的な状態になりました。
奥歯に限定されますが、顕微鏡を使用しての根菅治療も保険適応となる場合もあるので、詳しくは僕に聞いて頂ければと思います。

 

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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