インプラント治療のリスクを減らすために、当院ではCT撮影をフル活用しています。
インプラントを埋め込む部位の骨量を計測するには、CT撮影は欠かせません。
下顎神経とインプラントの距離は2ミリ以上離す必要があります。
そうなると使える骨の厚みは8.47ミリ長さは8.63ミリ。
インプラント周囲には2ミリの骨があることが理想ですから、今回は直径4.5ミリ長さ8ミリのインプラントを
選択しました。
そしてオペ中にもCT撮影を行います。最初の細いドリルで骨を削った段階でCT撮影をすると、シビアなケースでもトラブルを防げますからね。1ミリの誤差も許されない場合には、最も安心できる方法でしょう。
オペ後のCT写真です。インプラントと下顎神経の距離は3ミリですから、神経麻痺の心配はありません。
CT撮影による被曝を心配される方もいますが、当院におけるCT撮影1回あたりの被曝量は東京〜ニューヨーク往復した場合の約1/7に過ぎません。
ポイントとしては、画質が低下する欠点はありますが低被曝モードを選択し、最小限の撮影範囲に設定すること。
高解像度モードで上下の顎骨をフル撮影した場合に比べると、1/12の被曝量に抑えることができます。
当然無駄な被曝は避ける必要はありますが、症例の難易度に応じて複数のCT撮影を活用することでリスクを最小限に抑えることが可能となります!