院長ブログ

院長 三浦 陽平

2018年 02月 17日

親知らず抜歯2回法

2年くらい前から、右下の親知らずの痛みに悩まされてきた20代男性の患者様。

若い世代の方は、小顔で顎が小さい分、親知らずが奥深いところにあるケースがとても多くなっています。

右下に親知らずが傾いて存在しており、痛みの原因になっています。

黄色い線が下顎神経の走行をトレースしたもの。完全に親知らずと神経が重なっていることが分かるでしょう。
ここまで親知らずと神経がくっついていると、どんなに上手に抜歯しても神経麻痺が起きる可能性があります。

神経麻痺が万が一にでも生じてしまうと、唇や顎の感覚異常に悩まされてしまいますからね。
どんな感じかと言うと、長い間正座していて、足が痺れた時の感覚に近いんです。あの不快な感じがずっと続くのは、困りますよね。。。

このように、リスクが高い親知らず抜歯の場合は、当院では2回法を提案しています。
まず歯冠部分のみを抜歯して9ヶ月後に歯根部分を抜歯します。9ヶ月待っている間に、親知らずが移動してくれると、神経麻痺の可能性が下がる訳です。

歯冠部分を除去した後のレントゲン写真です。9ヶ月待って、残った歯根が移動したら、残りを抜歯します。

もし歯根が9ヶ月待っても動かない場合は、そのまま置いてきてもいいでしょう。
あえて歯根を置いてくる方法は、歯冠切断術と呼ばれており、日本では一般的でないですが、欧米では有効な方法と認められています。

別に痛みの原因にならないならば、神経麻痺のリスクを冒してまで、すべて抜かなくてもいいですものね。。。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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