下顎の親知らずは、長い人生のどこかで抜かないわけにはいかない存在です。
もちろん抜かないで、済んでしまう方もいるかも知れませんが、ごく少数でしょう。
上のレントゲンの患者様は、右下の親知らずを抜いて欲しいという要望で来院されました。
右下の親知らずは完全に骨に埋まっており、かつ斜めに傾いていました。
上のイラストは、斜めになってしまっている親知らず抜歯の手順。
この中で最も痛みを引き起こす原因は、4番目の骨を削除する行為なんです。
骨を削除!いかにも痛そうですよね。
誤解を恐れずに言ってしまえば、たくさん骨を削ってしまえば、どんな親知らずも簡単に抜けます。
でも、患者様側の痛みは、骨を削れば削るほど、増大してしまうのです。
では、どうすれば痛みを最小限にできるか?
骨の削除を最小限にして、親知らずを細かく分割して抜くことが、痛みを減らすために有効な手法なんです。
今回のケースでは、こんな感じに小さく5つに砕いて抜歯しました。
抜歯後のレントゲン写真です。
僕の手が動いていたのは約20分。とってもスムーズな抜歯でした。
痛み止めを使用したのは抜歯当日と翌日朝だけで済んだそうです。