当院で矯正用マウスピースの型取りの際に大活躍している、デジタル光学スキャナーのアイテロⅡ。
今月からは、審美歯科治療のセラミック修復の型取りにおいても、日々使用されるようになりました。
粘土のようなピンクのドロっとしたものでの型取りは必要なく、カメラでお口の中のデーターを記録します。
こんな感じで上と下と噛み合わせの写真データーができます!
あとは、このデーターをe-mailで歯科技工士さん(歯を作る職人さん)に送るだけで、クリニックでの作業は終了します。
従来であれば、
①粘土のようなもので、歯型を取る。
②歯型に石膏を注ぐ。
③石膏を歯科技工士さんが微調整する。
④歯科技工士さんが石膏の上にロウソクで歯のデザインをする。
⑤ロウソクを溶かしたところに、金属を流し込んで歯のフレームを作る。
⑥金属の上にセラミックを焼き付ける。
⑦セラミックの部分の研磨をする。
以上のように7つの工程を経て、セラミック歯が完成していました。
これからは、
①デジタル口腔内スキャナーで歯型のデーターを取る。
②歯科技工士さんがパソコン上でセラミック歯のデザインをする。
③ロボットアームがセラミックブロックを削り出して、セラミック歯を作る。
④細かい噛み合わせと色合わせを歯科技工士さんが行う。
以上のように4つの工程で、セラミック歯が完成します。
工程を省けますから、当然その分を患者様に還元できます。
奥歯に限りますが、今までは1本10万円(税抜き)ほどしていた、最高品質のセラミックが1本7万5千円(税抜き)で提供できるようになりました。
このデジタル光学スキャナーにはAIが組み込まれているのです。
AIを活用する事で、以下のようなメリットが生まれます。
・歯型の型どりが簡単にできる。
・歯型の輸送コストがかからない。
・歯科技工士さんは人間にしかできないことに集中できる。
・工程がシンプルになるので、治療費も安くできる。
・工程がシンプルな分、精度の高いセラミック歯を作成できる。
歯科医院も歯科技工所も患者様も、全員がメリットを共有できるのが、AIを組み込んだデジタル口腔内スキャナーなんです!
歯の治療も、いよいよデジタルとAIの時代を迎えてきています。