院長ブログ

院長 三浦 陽平

2021年 04月 24日

当院で銀歯を用いた治療を行わない理由

今まで通っていた歯科医院で、
「あー大きい虫歯がありますねー。見た目は悪いけど、保険が効いて安い銀歯にしますか?
 それとも、保険適応外の白いセラミック歯にしますか?」
と言われたことがありませんか?

銀歯とセラミック歯には色の違いしかないと思っていて、なんとなく保険が効く銀歯を選んでしまう。
実はこれ、最もやってはいけないことです。
もちろん、以下のような銀歯の危険性を認識した上で、将来のリスクを踏まえた上で、銀歯を選択するのであればいいと思います。
でも、銀歯を入れたらそのうち銀歯の中で虫歯が再発して、最初の治療から18年後に抜歯になってしまう可能性が高いんですよね。。。

銀歯は、戦後のものがなく貧しい時代に、とにかく安価でなんとか虫歯を治して噛めるように開発された治療方法です。
世界を見渡しても、銀歯を用いている先進国は他にありません。
その証拠に、他の国では何歳になっても自分の歯が残っています。
翻って、日本では80歳で20本以上歯がある人の割合は50%以下です。
これは、虫歯の治療に安易に銀歯を使用することで、また虫歯が再発してしまい、どんどん歯を抜かれてしまっていることが原因です。

そんなこともあり、当院では銀歯を用いた診療は一切行わないことにしています。
・虫歯を作らないための予防歯科とクリーニングに力を入れる。
・小児歯科においては、食生活や生活習慣にもアプローチをすることで、永久歯が虫歯にならないようにする。
・小さい虫歯であれば、保険が適応され、見た目も白く美しいレジン充填で対応する。
・大きい虫歯であれば、世界中で行われ医学的根拠があるセラミック治療(保険適応外)で対応する。
・大きい虫歯をどうしても作りやすい、歯列不正の患者様には、矯正治療(保険適応外)をご提案する。
・不幸にして歯を失った場合は、銀歯を用いたブリッジではなくインプラント治療(保険適応外)で対応する。
以上をコンセプトとして日々診療しています。

上のイラストは、右から2番目の歯を失ってしまった場合に、保険診療で行うことができる治療方法である銀歯によるブリッジです。
銀歯によるブリッジを入れて最初の15年くらいは問題が生じないかも知れません。
しかし、いつかは銀歯をはめ込んだ両隣の歯が壊れてしまい、抜歯にいたります。
そうなると奥歯3本を失うことになるので、全く噛めなくなってしまいます。
1本の歯を補うために、2本の健康な歯を失うことが将来確定している治療方法はちょっと嫌ですよね。

過去のように、人生60年時代ならば、銀歯による治療にもメリットがあったことは否定しません。
現在のような、人生90年時代においては、銀歯による治療は完全にデメリットしかないと思います。

一番大事なことは、大きい虫歯を作らないように、痛くなる前に定期的に歯科医院を受診しておくことです。
歯科検診は、人間ドックや脳ドックや血液検査と違って健康保険が適応され、約3,300円で全ての歯と歯茎と顎関節のチェックを行えます。
小さい虫歯の治療や軽度の歯周病治療やクリーニングは、ほぼ全てを保険診療の範囲内で受けることができます。
毎月、安くない健康保険料を払っているわけですから、日本の医療制度をうまく活用していくのがオススメです。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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