院長ブログ

院長 三浦 陽平

2021年 08月 21日

シンプルで痛くないインプラント治療

インプラント治療で痛みを伴ってしまうのは、以下の3つの場合がほとんどです。
・大規模に骨を造るような処置をした場合
・たくさん切って縫った場合
・治療時間が長い場合

ですので、痛みがないインプラント治療にするには
・骨を極力造らない
・シンプルに最小限の切開
・治療時間を短く
この3つを突き詰めていくことがポイントとなります。

右上に2本のインプラント治療を希望されて来院された患者様のCT写真です。
一番薄い部分は既存の骨が4ミリもありません。
通常の考え方であればサイナスリフトと呼ばれる大規模な骨造成が必要と診断され大学病院を紹介されるケースです。
当院では既存骨が3ミリ〜4ミリしかないケースにおいても、サイナスリフトを行わずソケットリフト(上のイラスト参照)で対応しています。
技術的には、直接目で見て操作できるサイナスリフトの方が実は簡単と言われています。
ソケットリフトは手の感覚に頼る部分が大きいので、高度な技術と経験を要します。
骨が少ない部分に埋め込むインプラントのサイズは、直径5ミリ長さ7ミリのショートインプラントを選択しました。
骨が十分にある部分のインプラントのサイズは、直径4ミリ長さ10ミリのレギュラーサイズになります。
インプラント埋入直後のCT写真です。
右側のインプラントが、上顎洞の中に突き抜けているように見えるかも知れません。
ですが、全く問題はありません。

Densah® Burという特殊なドリルを逆回転で使用することで、既存骨を上顎洞に押し上げています。

この手法を用いると、人工骨を使用しなくて済むので、感染リスクがかなり軽減されます。
かつご自分の骨を無駄なく活用しているので、痛みも腫れもありません。
インプラント埋入から1ヶ月後のCT写真です。
右側のインプラントの周囲に骨が出来つつあります。
特に左下の画像を見て下さい。
オペ直後の左下の画像と比較すると、インプラント周囲の骨のボリュームが増えているのが分かると思います。

オペに要した時間は合計30分のみでした。

シンプルでリスクの少ない手法を積極的に取り入れることで、短時間でオペが完結します。
痛みと腫れを減らすために、様々な工夫を凝らしています。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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