院長ブログ

院長 三浦 陽平

2021年 11月 08日

MTAセメントで神経を残す虫歯治療を行っています。

当院では例え虫歯が大きくても、できる限り神経を温存する治療を心がけています。

歯がとてもしみていても、歯が痛くても、すぐに神経を取ることはしません。
(もちろん、画像診断で明らかに神経が死んでしまっていることが分かる場合は別です。)

MTAセメント(セラカルLC)という製品を使用することで、かなり大きい虫歯から神経を守ることができます。
従来のスーパーボンドやダイカルといった製品と比較して、MTAセメントによる神経保護は成功率がとても高まりました。
今までは、なんとか神経を残そうとしてトライしても成功率は70%くらいだったのが、MTAセメントを使用することで90%以上に跳ね上がったと思います。

セラカルLCは優れた生体親和性を有し、カルシウムイオンを放出する特性があります。
配合されている親水性モノマーは、組織内液と相互移動を可能とし、ケイ酸カルシウムから、水酸化物イオンとカルシウムイオンを放出し、さらにアルカリ環境をつくり、デンチンブリッジ形成を促進します。
高い封鎖性を有し、辺縁漏洩を防止して神経を保護します。

太字の部分は歯科医師向けのパンフレットから抜粋しました。
要は、とっても神経に優しいマイルドなセメントだから、大きい虫歯があっても大丈夫!ということですね。

神経を取ってしまうと、どうしても歯の寿命は短くなってしまいます。
温度や圧力や痛みを感じる機能が失われてしまうので、20年30年と経過するうちに歯が割れたり壊れてしまう可能性が高いのです。
当院のこだわりとして、何とか神経を残すことで、その歯がずっと長持ちして欲しいと思っています。

MTAセメントを使用した虫歯治療の例

右側の2本の銀歯が合っておらず、冷たいものがしみていました。
銀歯を全て取り除きました。
神経に近い部分の虫歯も慎重に取り除いていきます。
虫歯を神経ギリギリのところまで削り取ってから、MTAセメント(セラカルLC)で保護します。
全体を樹脂で埋めます。
この状態で、痛みやシミがないことを確認してからセラミック治療に移行します。
全体を円柱型に削り、形を整えます。
セラミッククラウンをセットしました。
(歯周病の問題もあったので、セラミックを連結することで、噛む力に負けないようにしています。)


この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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