当院では例え虫歯が大きくても、できる限り神経を温存する治療を心がけています。
歯がとてもしみていても、歯が痛くても、すぐに神経を取ることはしません。
(もちろん、画像診断で明らかに神経が死んでしまっていることが分かる場合は別です。)
MTAセメント(セラカルLC)という製品を使用することで、かなり大きい虫歯から神経を守ることができます。
従来のスーパーボンドやダイカルといった製品と比較して、MTAセメントによる神経保護は成功率がとても高まりました。
今までは、なんとか神経を残そうとしてトライしても成功率は70%くらいだったのが、MTAセメントを使用することで90%以上に跳ね上がったと思います。
セラカルLCは優れた生体親和性を有し、カルシウムイオンを放出する特性があります。
配合されている親水性モノマーは、組織内液と相互移動を可能とし、ケイ酸カルシウムから、水酸化物イオンとカルシウムイオンを放出し、さらにアルカリ環境をつくり、デンチンブリッジ形成を促進します。
高い封鎖性を有し、辺縁漏洩を防止して神経を保護します。
太字の部分は歯科医師向けのパンフレットから抜粋しました。
要は、とっても神経に優しいマイルドなセメントだから、大きい虫歯があっても大丈夫!ということですね。
神経を取ってしまうと、どうしても歯の寿命は短くなってしまいます。
温度や圧力や痛みを感じる機能が失われてしまうので、20年30年と経過するうちに歯が割れたり壊れてしまう可能性が高いのです。
当院のこだわりとして、何とか神経を残すことで、その歯がずっと長持ちして欲しいと思っています。
MTAセメントを使用した虫歯治療の例