テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生剤により変色してしまった歯のことを指します。
永久歯が作られる子供の頃(0歳〜12歳)の頃に、テトラサイクリン系抗生剤を大量に服用してしまうと、副作用で歯が変色してしまうのです。
テトラサイクリン系の抗生剤は、昭和40年代に製造されていた風邪薬のシロップに含まれていました。
この年代に生まれ育った、40代50代の方にテトラサイクリン歯は多く見られます。
なぜテトラサイクリン系の抗生剤で歯の変色が生じるかというと、もともと黄色いテトラサイクリンが歯の内部の象牙質のカルシウムに取り込まれてしまうからです。
そして、黄色く変色してしまった象牙質に紫外線が当たることにより、段々と歯が黒ずんできてしまいます。
テトラサイクリン歯の分類
第1度 歯全体が黄色〜灰色に着色している。縞模様はない。
第2度 歯全体が一様に着色しており、第一度よりも全体的に色が濃い。縞模様はない。
第3度 青みがかった灰色をしている。縞模様やグラデーションがある。
第4度 全体的に濃い着色が強く見られ、縞模様もある。
テトラサイクリン歯の変色の程度は、以上のように4つに分類されています。
第1度であれば、ホワイトニングによる変色の改善をご提案することもあります。
第2〜4度の場合は、セラミックによる審美歯科治療がベストでしょう。
ホワイトニングのみでの改善を希望される患者様もいますが、ホワイトニングを行っても時間がかかるだけで、そこまで白くならないので当院では推奨していません。
しかし、人間の歯は28本もありますから、全部の歯を削ってセラミックを被せてしまうと、治療費も高額になってしまいます。
当院でオススメしているのは、目立つ上の前歯のみにセラミックを被せるという手法です。
テトラサイクリン歯は機能的には何の問題もないですから、最小限の治療本数で美しくすることを目指しています。
テトラサイクリン歯への審美歯科治療例

ずっとテトラサイクリン歯を気にされていました。
右上の20年以上前に入れた差し歯を含めて、最小限の治療本数で見た目の改善を図る計画を立てました。

もっと白くすることもできますが、歯科技工士の石山先生と相談して、あえて黄色い感じを出しています。

白すぎず、やや黄色くちょっとだけ暗めのトーンで仕上げることで、テトラサイクリン歯とのバランスが取れています。