僕が大学を卒業したばかりの20年前は、まだセラミック歯の裏側に金属が使われていました。
メタルボンドと呼ばれる被せ物で、金属のフレームにセラミックを焼き付けて作製していました。
メタルボンドの長所として以下が挙げられます。
・銀歯とは異なり高価な貴金属をフレームに使っているので、金属アレルギーの可能性が低い。
・見た目が良く、変色しない。
・全ての部位に使用できる。
・ブリッジも可能。
・歴史の長い治療方法なので、トラブルが少ない。
メタルボンドの短所として以下が挙げられます。
・金属を使用していないオールセラミックに色調で劣る。
・貴金属の高騰のせいで、オールセラミックよりも治療費が高い。
・裏側の金属が気になることがある。
・将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。
当院では、メタルボンドよりもオールセラミックのほうがメリットが多いと考え、メタルボンドでの治療は行っておりません。
唯一、メタルボンドがオールセラミックよりも優れている点が、長いブリッジの製作のしやすさです。
しかし、当院では歯を失ってしまった方へはインプラント治療をご提案していますので、そもそもブリッジの症例がほとんどありません。
長年メタルボンドを使用した方は、歯茎が下がってしまい歯と歯茎の境目が目立っていることと思います。
機能的には問題があるわけではありません。
見た目が気になったらやりかえ時ではありますので、メタルボンドを入れて15年くらいがオールセラミック(ジルコニアセラミック)への交換時期でしょう。
裏が金属の差し歯(メタルボンド)を交換したセラミック治療例