院長ブログ

院長 三浦 陽平

2022年 09月 11日

骨がないので、大学病院や総合病院で骨を造らないと、インプラントが出来ないと言われた方へ

『骨がないので、大学病院や総合病院の口腔外科で、骨を造って来て下さい。』
『骨が出来てから、インプラントを埋め込みましょう。』
『インプラントの周りには沢山の骨が必要です。』

以上のようなことを他院さんで言われてから、当院を受診される患者様が多数いらっしゃいます。
当院のインプラント治療のコンセプトとして、痛みや腫れを伴う骨を造る手術はできるだけ避けています。

特に抜歯前に来院して頂ければ、簡単な工夫を施すだけで辛い骨を造る手術を避けることができます。
それは、抜歯した後に骨に置換されるコラーゲンスポンジを入れること。
費用はたった5,500円ですが、このコラーゲンスポンジを入れて6〜8週間から待つだけで、柔らかい骨ができてくれます。

もちろん、抜歯後に来院して頂いても構いませんが、大体の場合は骨がなくなっていることが多いので、そうなるとサイナスリフトのような骨造成手術を当院でも行うことになってしまいます。

抜歯後にコラーゲンスポンジを入れることで、骨造成手術を避けたインプラント治療例

他院さんで抜歯してから、サイナスリフトを大学病院で行うことを提案された方の、初診時口腔内写真。
よりシンプルで、痛みも腫れもないインプラント治療を求めて当院を受診されました。
初診時CT写真。
確かにこの画像を見てしまうと、骨が1ミリもないと判断してしまうのも仕方ありません。
ただ、身体の再生能力を生かすことで、シンプルに骨を増やすことは簡単にできます。
抜歯して6週間待った後の口腔内写真。(インプラントオペ時)
コラーゲンスポンジを抜歯時に挿入しておいただけで、綺麗に穴が塞がりました。
麻酔をしてから、表面の柔らかいお肉を除去すると、柔らかい骨ができていました。
この状態でCT写真を撮影してみます。
柔らかい骨が4ミリ程できていることがわかります。(真っ黒なところは空間でグレーに写っているところが骨です。)
柔らかい骨を少しずつ圧縮して広げていきます。
この時に特殊なバーを逆回転で使用することで、柔らかい骨が緻密な骨に変化していきます。
インプラントを埋め込む穴が完成しました。
ご自分の柔らかい骨で上顎洞底粘膜を挙上することで、ソケットリフトも同時に行なっています。
直径5.5ミリ長さ7ミリのショートインプラントをこの症例では選択しました。
長さが7ミリあれば、長期的に問題が起こらないという医学的根拠に基づいています。
インプラントが理想的な位置に埋め込まれました。
スマートペグを装着してISQ値を測定します。

ISQ値は67と、とても良好な数字を示しました。
約2ヶ月待てばインプラントは骨と完全に生着することが予想されます。

インプラントに仮蓋を装着して、オペ終了となります。
インプラント埋入後のCT写真。
しっかりとインプラント周囲が骨で覆われていることが分かります。
治療スタートしてから4ヶ月、インプラント埋入から2ヶ月半後に、最終的なインプラント上部構造(セラミック歯)が入りました。

今回のインプラントオペに要した時間は、抜歯に5分、インプラント埋入に10分、と超短時間で済みました。
もし大学病院で、全身麻酔下でのサイナスリフトを行った場合は、半日は要していたでしょう。
また、トータルの治療期間も約1年以上かかってしまうことが大半です。
当院では、ちょっとの工夫を積み重ねることで、患者様に負担をかけないインプラント治療を心がけています。

今回のケースの治療費
・抜歯→1,500円
・コラーゲンスポンジ→5,500円
・インプラント(セラミック歯含む)→440,000円
・ソケットリフト→55,000円
総額502,000円



この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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