院長ブログ

院長 三浦 陽平

2022年 11月 29日

下の奥歯で顎の神経と近いためにインプラントができないと言われた方へ

インプラント治療は骨がある場合は、それほど難しくありません。
見た目の美しさが求められる前歯のインプラントと比較すると、奥歯のインプラントは機能性と清掃性のみを追求すればいいだけとも言えます。

しかし、下顎の奥歯においては、顎の神経(下顎神経)との距離が近く、インプラント治療を断われてしまうケースがあります。
顎の骨量が足りないため、顎の神経にインプラントが触れてしまうリスクがあるわけです。

当院では、骨の量が足りず、下顎神経を損傷するリスクがあるケースでは、ショートインプラントを活用しています。
長さ7ミリのインプラントを使用することで、痛みと腫れを伴う骨を増やす手術を避けることができます。
治療に要する時間が、長さ10ミリのスタンダードインプラントよりも短いメリットもありますからね。

唯一の欠点が、長期的なデーターが少ないこと。
当院は500本以上のショートインプラントの施術実績がありますが、抜けてきてしまったのは1本のみです。
むしろ、スタンダートインプラントよりもトラブルは少ないように感じています。

下の奥歯において、
・骨を増やす手術を併用しないとインプラントが埋めれない。
・顎の神経と近いからインプラントが埋めれない。
と言われた方は、ぜひ当院にご相談下さい!

下顎神経との距離を考慮してショートインプラントを選択した治療例

処置前の口腔内写真。
左から2番目の歯を残せない状態でした。
抜歯をして、真ん中に小さい穴を空けて、徐々に広げていきます。
インプラントを埋め込む前準備が完了しました。
短いサイズのインプラントを埋め込むので、シンプルに穴を作るだけで済みます。
直径6ミリ長さ7ミリのショートインプラントを今回の症例では選択します。
インプラントを埋め込んだ直後の口腔内写真。
左右の歯との距離も均等な位置に収まっています。
周囲の隙間にはコラーゲンスポンジを埋め込むことで、より早く治ります。
CT写真を撮影すると、下顎神経との距離が十分にあることがわかります。
左下の画像のインプラント直下の丸い穴が神経です。
以前は神経との距離が2ミリあれば充分と言われていました。
しかし、稀に生じる骨内出血による神経損傷のリスクを考慮すると4ミリくらいの距離が必要だと、当院では考えています。
2ヶ月のレントゲン写真。
インプラント周囲に骨が出来てきています。
デジタル印象(カメラによる型取り)用のパーツを入れたところです。
当院では、奥歯のインプラントは全て口腔内スキャナーを使用しています。
型取りに要する時間は、2分から4分ほどで済みます。
型取りから2週間後にインプラントの上部構造が完成しました。
レントゲンで歪みがないか確認します。
治療終了後の口腔内写真。
インプラント治療と一緒に銀歯を無くすメタルフリー治療も行いました。

上の奥歯で上顎洞(副鼻腔)と近いためにインプラントができないと言われた方へ はこちら

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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