インプラント治療は異物を体内に埋め込む手術が必要です。
外科的な処置である以上、どうしても偶発的なトラブルが生じてしまうことがあります。
長さ10ミリのスタンダードインプラントではなく、短いショートインプラントを使用することで、下顎のインプラント手術におけるトラブルはほぼゼロにすることが出来るようになりました
しかし、上顎のインプラント手術のトラブルの代表例である副鼻腔炎(上顎洞炎)は、まだ避けることが難しいと言われています。
現在でも大学病院や総合病院では上顎で骨が足りないケースでは、サイナスリフトと呼ばれる大規模な骨造成を行なってからの、インプラント埋入を行なっています。
(下のイラスト参照)
副鼻腔(上顎洞)を大きく切開して触ることで、炎症が発生します。
炎症が副鼻腔深部まで波及することで、鼻腔と副鼻腔をつないでいる自然孔というトンネルがつまってしまい、副鼻腔炎に移行します。
鼻中隔(鼻の骨)がもともと歪んでいる方は、この自然孔が生まれつき小さいことが分かっています。
ですので、ひどい副鼻腔炎が生じてしまった場合は、耳鼻科の先生に依頼して自然孔を大きく広げる手術が必要になってしまいます。
インプラントの手術を受けたことがきっかけで、鼻の手術も必要になってしまうのは、患者様に多大なるストレスがかかってしまいます。
副鼻腔炎(上顎洞炎)を引き起こすきっかけがサイナスリフトであるなら、他の方法で行えば良いだけです。
当院ではサイナスリフトの代わりに、ご自分の骨を利用したソケットリフトを行うことで、副鼻腔炎を100%に近い確率で防ぐことを目指しています。
(下のイラスト参照)
テクニックとしてはとてもシンプルで、通常は正回転で用いるドリルを逆回転で用いるだけです。
ドリルを逆回転で回すと、ご自分の骨が上顎洞を押し上げてくれるようなイメージです。
(下のイラスト参照)
他院さんや総合病院などで、サイナスリフトの合併症として副鼻腔炎のリスクを聞いて、インプラント治療を諦めた方はぜひ当院にご相談下さい。
人工骨を使用しないソケットリフトで、副鼻腔炎を回避したインプラント治療例②