院長ブログ

院長 三浦 陽平

2023年 07月 13日

15年前に他院で入れたインプラントの再治療

歯科用インプラントが一般的に用いられるようになってから、約25年が経過しました。
僕が、北海道大学を卒業した20年前の時点で、歯を失った場合における第一選択としてインプラント治療は多数行われていました。

インプラントは、定期的なクリーニングと噛み合わせ調整を受けて頂ければ、20年以上持つと自信を持って言えます。
しかし、インプラントの調子が良い故に、ついつい歯科医院から足が遠のいてしまう方もいらっしゃいます。

車と同じで、メンテナンスを受けないと、インプラントは長持ちしません。
これはご自分の天然歯も同じで、定期的な予防クリーニングは、お口の健康を維持するためには大事なポイントです。
歯周病を予防するために天然歯もインプラントも、当院では3ヶ月おきの来院を推奨しております。
(インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にはなってしまうリスクがありますので。。。)

10年以上前に他院さんで入れたインプラントの再治療(やり直し治療)も当院では対応しています。
メンテナンスをしっかり受けていた場合は、上部構造(セラミック歯)のやり変えのみで済むこともあります。
しかし、インプラントの調子が悪くなるまで、放置してしまった場合は、全てやり変えになると思って下さい。

15年前に他院で入れたインプラントの再治療例

初診時口腔内写真。
他院さんで15年前に入れたインプラントの上部構造(セラミック歯)が壊れて来院されました。
ここ最近5年間は歯科医院に通っていなかったようで、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)にもなっており、膿が絶えず出ている状態でした。
インプラント周囲炎になってしまった場合は、無理に古いインプラントを生かすのでなく新しいインプラントを埋め込むことを当院ではご提案しています。
古いインプラント周囲の歯茎を切って開きます。
専用ドリルで、古いインプラントを撤去します。
古いインプラントの直径が4ミリなので、内径が4ミリ外径が5ミリの撤去用ドリルを使用しました。
5分でインプラント撤去が完了しました。
代わりの直径5ミリ長さ8.5ミリのサイズのインプラントをそのまま埋め込んでいきます。
新しいインプラントが、同じ位置に収まりました。
専用ドリルを活用することで、患者様の負担を最小限にすることができます。
2本だけ縫ってオペ終了となります。
トータルのオペ時間が僅か15分のみ。
シンプルな処置に徹することで、術後の痛みと腫れもありません。
CT写真でも、理想的な位置に新しいインプラントが入ったことが確認できます。
オペから2ヶ月後の口腔内写真。
綺麗に歯茎も治りました。
型取り用のデジタルパーツをセットして、上部構造(セラミック歯)の型取りをしていきます。
レントゲンも撮影して、インプラントと型取り用パーツがしっかり嵌合しているか確認します。
型取りから2週間後に、インプラントに上部構造(セラミック歯)をセットしました。
この工程においても、レントゲン写真を撮影します。
隙間なく、接合されていることが、インプラント治療成功の秘訣です。
寸分の狂いもなく接合されたインプラントは、20年30年と長持ちします。
最後に、アクセスホール(インプラント本体と上部構造を固定するスクリューを締めるための穴)を樹脂で埋めて、治療終了となります。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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