インプラント治療の難しい点として、全ての歯とその周囲組織の解剖学的特徴を理解して行う必要が挙げられます。
人間の歯の本数は合計28本。(親知らず除く)
1番目の前歯(中切歯)と2番目の前歯(側切歯)でも、歯の大きさや骨量に違いがあります。
ましてや前歯と奥歯では、全く違う特性があります。
・上の前歯では、鼻腔底との距離を計測して、細長いインプラントを埋め込む必要があります。
・上の奥歯では、副鼻腔底との距離を測定して、太くて短いインプラントを埋め込む必要があります。
・下の前歯では、骨が硬いので、骨火傷を起こさない範囲で、インプラントを埋め込む必要があります。
・下の奥歯では、下顎神経と下顎動脈との距離を2ミリ以上確保した上で、極力大きいサイズのインプラントを埋め込む必要があります。
インプラント治療の最終的な目標は、インプラントを顎骨に埋め込むことではありません。
インプラントと接合した上部構造(セラミック歯)で、しっかり噛めるようになることが目標です。
また、見た目の美しさの回復と、清掃のしやすさの獲得も必要です。
もともとの天然歯と同じような、発音と滑舌の再現も求められます。
以上のような多岐にわたるポイントを全てクリアすることが、インプラント治療には求められます。
インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際の基準として、やはり経験数の豊富さを重視することをお勧めしています。
数をただ多くこなせばいい訳ではありませんが、全ての部位の歯の特性を理解するためには、ある程度の経験数は必須だと言えます。
具体的には、年間100本以上のインプラント埋数本数がある歯科医院で施術を受けるのが望ましいと思います。
あとは、極力、歯を抜かない努力をしていることも大事な要素です。
歯周病治療、顕微鏡治療、予防歯科などを診療メニューに加えている歯科医院では、まずは天然歯の温存を心がけている可能性が高いはずです。
その次には、インプラント治療の保証制度が充実していることでしょうか。
インプラント治療は保険外診療であることに加えて、高いパーツ代が発生するため、どうしても高額になってしまいます。
その代わりに、しっかりとした保証制度を整えることは、患者様への責務として当然だと言えます。
治療技術に自信がある歯科医院では、インプラント10年保証をホームページに書いていることが多いでしょう。
①年間のインプラント埋入本数が100本以上。
②歯周病治療や顕微鏡治療などの歯を残すための診療にも力を入れている。
③インプラントに10年保証を付けている。(保証の条件が明確)
以上が私の考える、インプラント治療を受けるべきクリニックです。
ぜひ参考にして頂けたらと思います。
インプラント5本とセラミック13本の治療例
この症例の治療期間
約10ヶ月
この症例の治療費
前歯インプラント1本→462,000円(税込)
奥歯インプラント4本→1,760,000円(税込)
《1本あたり440,000円(税込)》
前歯セラミック3本→396,000円(税込)
《1本あたり132,000円(税込)》
奥歯セラミック10本→1,100,000円(税込)
《1本あたり110,000円(税込)》
ファイバーコア2本→44,000円
《1本あたり22,000円(税込)》
総額 3,762,000円(税込)
この症例のリスク
稀にインプラントが脱落することがあります。
その場合は、再手術を無料で行わせて頂きます。
稀にセラミックが欠けたり割れたりすることがあります。
保証期間内の場合は、無料で新製させて頂きます。
(インプラントには10年、セラミックには5年、の保証期間が付いています。)
この施術の説明
インプラント治療とは、歯を失った箇所にチタン製の人工歯根を埋入し、新しい人工歯を入れる方法です。
セラミッククラウンを入れるためには、歯を精密に削って、型をとる必要があります。
その後、歯科技工士の製作した審美性の高いのかぶせ物を装着します。