上顎でも下顎でも、骨が充分にある場合のインプラント治療は簡単です。
問題は骨がない場合となります。
骨がないことへの対処法は、シンプルに言ってしまうと次の2つしかありません。
①骨を作って(増やして)から、インプラントを埋め込む。
②短いサイズのインプラント(ショートインプラント)を使用する。
骨量が少なく、上顎洞(副鼻腔)や下顎管(下顎神経)との距離が近い場合には、上記2つの手法で対応する必要があります。
私自身のポリシーとして
①骨を作って(増やして)から、インプラントを埋め込む。
ことは行なっていません。
骨を作る手術を行うと、
・患者様に与える痛みが増大する。
・オペ回数が増えてしまう。
・治療期間が長くなる。
・治療費が増えてしまう。
・人工的に作った骨は10年後には全て無くなってしまうこともある。
以上のようなデメリットが存在するためです。
骨を手術で無理に増やすのではなく、ショートインプラントを患者様のもともとある骨(既存骨)に埋め込むことで、
・痛みや腫れを患者様に与えない。
・オペ回数は1回のみ。
・治療期間は3ヶ月。
・治療費は安く。
・10年後も骨量に変化がない。
と、メリットしかないインプラント治療を患者様に提供できると考えています。
当院では、患者様への負担を最小限に減らしたインプラント治療を行なっております。
当院のインプラント治療のコンセプトに共感した方からの、ご相談をお待ちしております。
骨が少ない方へのショートインプラント治療例

他院さんではサイナスリフトと呼ばれる大規模な骨を作る手術を提案されていました。
サイナスリフトは術後に痛みと腫れを伴うため、患者様はインプラント治療に踏み切ることが出来ず、2年以上奥歯がない状態のままでした。

左上の奥歯2本がありません。

骨の厚みは3ミリほどしかありません。
他院さんでは、サイナスリフトを行なってから、長さ10ミリのインプラントを埋め込む治療計画だったようです。

上顎洞(副鼻腔)の側方に大きい穴を開けるため、術後は顔面全体が腫れてしまうリスクがあります。
また、治療期間が1年近くかかってしまうのも、大きなデメリットです。

長さ7ミリのショートインプラントとソケットリフトを組み合わせことで、痛みと腫れもなく、治療期間も3ヶ月しか必要としません。




ドリルを正回転で回すのではなく、逆回転で回していきます。
ご自分の骨が、上顎洞底に運ばれ、人工骨を使用することなく、安全に上顎洞粘膜を挙上することができます。





インプラント先端部には薄い骨が出来ていることが分かります。


適合に問題がないことをレントゲン写真で確認します。

見た目と機能性に優れた、美しいセラミック歯(インプラント上部構造)が入りました。

無理にサイナスリフトで骨を作らなくても、インプラントは安定しています。
なお、インプラント治療後に、全体の噛み合わせを矯正治療で整えています。

前歯裏のワイヤーは矯正治療の保定装置となります。
インプラント治療と矯正治療で、完璧な歯並びになりました。
初診時の写真と比較すると、矯正治療で「すきっ歯」が治ったことがわかって頂けると思います。
インプラント治療に3ヶ月、矯正治療に2年、合計2年3ヶ月で全ての治療が完了しました。
この症例の治療費
ショートインプラント2本→880,000円(税込)
《1本あたり440,000円(税込)》
ソケットリフト2本→110,000円(税込)
《1本あたり55,000円(税込)》
表側矯正装置料→770,000円(税込)
矯正調整料24回分→132,000円
《1回あたり5,500円(税込)》
総額 1,892,000円(税込)
この症例のリスク
インプラントが稀に脱落することがあります。
インプラント手術後に腫れと痛みを伴う場合があります。
矯正治療中は、むし歯と歯周病に罹患する可能性が高まります。