院長ブログ

院長 三浦 陽平

2024年 11月 18日

高齢者の方へはインプラントと入れ歯どちらが良いのか?

先日は日帰りで、島根県松江市で開催されていた「日本口腔インプラント学会」に参加してきました。

聞きたかった講義のテーマは『超高齢社会のインプラント治療』
大学病院のインプラント科の先生のお話は、最新のエビデンスに基づいており、非常に参考になりました。

インプラントにしてしまうと要介護状態になった際に、歯磨きが難しいから、取り外しできる入れ歯の方が良い!
などの意見が多数を占めてきた我が国ニッポン。

そのため、シルバー世代になったら、見た目が悪くても噛めなくても、入れ歯の方が良い!
という風潮があり、なんとなく今までは高齢の患者様にはインプラントを提案しにくい雰囲気がありました。
しかし最近は、その常識が覆される論文(医学的根拠)がたくさん報告されているのです。

今回の講義で聞いた内容をまとめると、以下のようになります。
・クリニックに通院できる高齢者であれば、入れ歯ではなくインプラント治療が第一選択となる。
・元気な高齢者が入れ歯になってしまうと、噛む力が衰えてしまうので、しっかり食べれなくなる。
・しっかり食べれないが故に、元気な高齢者から要介護状態の高齢者に移行してしまう。
・どの年代においても、歯を失ってしまった場合はインプラント治療が圧倒的に優れている。
・取り外しできる入れ歯の方が清掃が楽というのは誤り。
・そもそも入れ歯を使っていない高齢者が多いので、お手入れするべき入れ歯が存在しないこともある。
・入れ歯の高齢者よりもインプラントの高齢者の方が、平均13年も健康寿命が長い。
・インプラントでしっかり噛めるようになることで、ずっと元気なままでいれる。
・すでに認知症になっていたり、要介護状態の方への、インプラント治療は避けるべき。
・高血圧症、糖尿病、などの持病を抱えている場合は、インプラント治療以外の方法が良いこともある。

つまり、
「元気でない高齢者へのインプラント治療は推奨できません。でも、元気なうちにインプラント治療を受けておくと、ずっと元気な老後を過ごせますよ!」
というお話でした。

『高齢者なんだから、インプラント治療は危ない!入れ歯で我慢するべき!なんて論調はおかしいよなあ???』
『入れ歯だと、どう考えても、良質なタンパク質もお野菜も食べにくいから、糖質過多になって筋力衰えるよなあ???』
という私の長年のもやもやした疑問が一気に解消できた、有意義な1日になりました。

当院では70代80代の高齢者の方へのインプラント治療もたくさん行なっております。
インプラント治療を受けることで、寿命そのものは伸びませんが、健康寿命は明らかに伸張します。
何歳になっても若々しく元気に毎日を過ごしたい方は、どうぞお気軽に当院にご相談下さい!

学会参加の時の1番のお楽しみはご当地グルメ!!!
松江市名物のしじみラーメンを堪能。
しじみの滋養が染み渡る優しいお味でした。
この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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