院長ブログ

院長 三浦 陽平

2025年 01月 06日

お子様向けのマウスピース矯正(インビザライン・ファースト)について

当院ではお子様向けのマウスピース矯正も行っています

当院では、お子様向けの歯列矯正においても、成人と同じくマウスピース矯正を提供しています。
お子様へのワイヤー矯正に抵抗がある場合は、お気軽にお問い合わせ下さい。
歯列矯正専門の医師から、マウスピース矯正についても詳しくご説明させて頂きます。

インビザライン・ファーストとは?

成長過程におけるお子様のための、透明で目立たないマウスピース型矯正装置が、インビザライン・ファーストです。
乳歯と永久歯が混在している、9歳〜12歳のお子様が対象です。
(なお、インビザライン・ファーストを製造しているアライン社は6歳〜10歳を対象年齢とアナウンスしています。
しかし、骨格が華奢な日本人のお子様においてはスタート年齢が早過ぎると、インビザライン・ファーストを選択するメリットがないと、当院では考えています。)

インビザライン・ファーストのメリット

破損しにくく、お口の中を傷つける可能性が少ない

ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーが切れたりワイヤーが飛び出てしまい、お口の中の粘膜を傷つける可能性があります。

お子様一人ひとりの成長度に合わせてデザインされるフルオーダーメイド

インビザライン・ファーストは、フルオーダーメイドのマウスピースのみを使用して頂きます。
既製品のマウスピースではないので、お子様のお口の中にフィットしないことはありません。

お食事の時にはマウスピースを外せます

ワイヤー矯正の場合は、ご飯を食べる時にワイヤーが邪魔になってしまいます。
お食事の際にマウスピースを外せるので、好きなものをたくさん食べて頂くことができます。

歯科医院への通院回数を減らせます

ワイヤー矯正の基本的な通院回数は1ヶ月に1回。
マウスピース矯正の基本的な通院回数は2ヶ月に1回です。
習い事や行事で忙しいお子さんにおいては、通院頻度の少なさはメリットとなります。

透明なので矯正治療中とは思われにくい

インビザラインファーストは、完全に透明なマウスピースです。
歯列矯正中だとは周囲に思われにくいですし、大事な用事の際には外して頂いても構いません。

痛みや違和感が少ない

弾力性がありしなやかな素材でインビザライン・ファーストはできています。
ワイヤー矯正のような締め付けられる痛みを最小限にすることができます。

インビザライン・ファーストのデメリット

治療費が割高になる

マウスピースの製造原価が発生してしまうため、ワイヤー矯正よりも22万円(税込)高い治療費となります。

メーカー(アライン社)の対応期間が2年と短い

成人や乳歯がないお子様(13歳以上)向けの通常のインビザラインは、メーカーの対応期間が5年あります。
インビザライン・ファーストは、骨格そのものに変化がある年代のお子様が対象となるため、メーカーの対応期間が1年半しかありません。
治療期間が1年半以上かかる場合は、治療費が倍増することもございます。

適応症例が限定される

全ての症例にマウスピース矯正が向いている訳ではありません。
当院では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正それぞれのメリットとデメリットをご説明をして、皆様に選択して頂いております。

お子様の協力度により仕上がりが左右される

インビザライン・ファーストの使用時間は、1日あたり20〜22時間が理想とされています。
マウスピースの使用時間が少ないと、思うように歯は動いていきません。

当院のインビザライン・ファーストへの考え

お子様の矯正治療の場合は、保護者の方からの要望が特にない場合は、従来のワイヤー矯正を推奨しています。
インビザライン・ファーストによるマウスピース矯正にはメリットもたくさんあります。
しかし、メーカーの対応期間が2年と短いために、どうしても適応症例を選ばざるを得ません。
また、お子様がマウスピースの使用をサボってしまうと、あっという間に2年が経過してしまい、また一からマウスピースを作製するリスクも存在します。
乳歯が無くなり永久歯だけの歯列(13歳以降)になるのを待って、通常のインビザラインのオーダーができるまで待ってからの矯正治療スタートをお勧めする場合が90%でしょうか。

インビザライン・ファーストが望ましいのはどんなお子さん?

・お子さんが目立たないマウスピース矯正を望んでいる。
・保護者の方が目立たないマウスピース矯正を望んでいる。
・お子さんがマウスピースをしっかり毎日20〜22時間使える。
・お子さんがラグビーや格闘技などのコンタクトスポーツを行っており、ワイヤー矯正ができない。
・少しでも矯正治療中の痛みを少なくしたい。
以上のような場合は、インビザラインファーストを選択する価値があります。

結局のところ、ワイヤー矯正とマウスピース矯正どっちが良いの?

当院の基本スタンスとして、成人と高校生の患者様においては、マウスピース矯正を積極的に推奨しています。
小学生中学生の患者様の場合は、費用の負担も考慮し、ワイヤー矯正を推奨しています。
どちらかの矯正手法が優れているわけではなく、マウスピースを規定の時間通り使えるかが判断の分かれ目と言えるでしょう。

インビザライン・ファーストによるお子様のマウスピース矯正治療例

年齢・性別

11歳・女児

来院動機

「前歯のガタガタ」が気になる。
痛みが少ないマウスピース矯正を検討している。

初診時の口腔内写真

前歯のガタガタが目立つ状態です。
左側からの口腔内写真。
成長に従い、八重歯傾向になることが予測されました。
右側からの口腔内写真。
永久歯が生え揃うスペースが足りません。
上顎の口腔内写真。
左上の前歯が捻じれています。
下顎の口腔内写真。

治療方針

保護者の方は来院当初からインビザラインによるマウスピース矯正をご希望されていました。
・お子さんがマウスピースの使用に関してモチベーションが高い。
・矯正の治療期間が約1年半で終わると予測できた。
・早めに矯正治療をスタートすることで、歯を抜かなくてもキレイに歯が並ぶメリットがあった。
以上の条件が揃っていたため、インビザライン・ファーストによる歯列矯正をスタートしました。

治療後の口腔内写真

矯正治療終了後の口腔内写真。
約1年半で美しい歯並びになりました。
左側からの口腔内写真。
右側からの口腔内写真。
上顎の口腔内写真。
後戻りを防ぐために、上の前歯はワイヤーで固定しています。
下顎の口腔内写真。
下顎の前歯にもワイヤーによる保定装置を装着しました。

矯正医より

私はマウスピース矯正を以下のようなワイヤー矯正では対応が難しい症例において、積極的に推奨しています。
①開口(オープンバイト)
②奥歯の後方移動を伴う非抜歯症例
③奥歯の圧下
この症例の患者様は②にあたりました。
全ての患者様にそれぞれの矯正手法のメリットとデメリットをご説明しますので、ベストな治療方法を選んで頂けたらと思います。

症例の治療に必要な標準的な費用(当投稿日現在)

 880,000円(税込) マウスピース矯正(インビザライン)

  • 調整費別途

主なリスク・副作用

きちんと歯磨きをしないと、虫歯や歯周病が進むことがあります。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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