目次
粘液嚢胞とは?
粘液嚢胞(ねんえきのうほう)は、唾液線の導菅が損傷し詰まることで、唾液が溜まった袋ができてしまう、良性の病気です。
粘液嚢胞ができる部位は?
口腔内にできます。
特に下唇の裏側と舌の裏側に発生しやすいです。
粘液嚢胞ができる原因は?
・唇を噛む癖
・外的な力による唾液線の損傷
持続的もしくは瞬間的な力により唾液腺の出口が壊れてしまうことが原因です。
粘液嚢胞の症状は?
・半透明または青白い円形の膨らみ(直径5ミリから3センチ)。
・痛みはなく軽度な違和感。
・触ると柔らかく明らかに液体が中に入っている。
・嚢胞が大きくなると、破けて小さくなるが、また再発してしまう。
粘液嚢胞の治療方法は?
①経過観察⇨小さい場合は、自然に治ることもあります。
②外科的切除⇨嚢胞を全摘します。その際に周囲の唾液腺も一緒に摘出します。
粘液嚢胞ができないようにするには?
・唇を噛む癖を無くす。
・口腔内を清潔に保つ。
・むし歯を放置しない。
・適合の悪い入れ歯や銀歯を放置しない。
・歯並びが悪い方は歯列矯正を受ける。
口腔内に尖っている箇所があり、その箇所と唇や舌がぶつかることが、粘液嚢胞を誘発します。
粘液嚢胞の治療はどこで受けれる?
歯科もしくは口腔外科を受診して下さい。
粘液嚢胞の切除と再発しないための+αの治療を受けることができます。
舌の裏側にできた粘液嚢胞であれば、耳鼻咽喉科でも対応可能なこともあります。
粘液嚢胞の外科的切除の治療例
治療中の経過写真

直径1.5センチ。
ずっと治らず、切除を希望して当院を受診されました。


切除が完了しました。


切除時間は約10分。
粘液嚢胞切除の費用
切除前の精密検査⇨約3,000円
切除前のクリーニング⇨約1,500円
粘液嚢胞切除⇨約3,500円
病理検査⇨約3,000円
合計⇨約11,000円(健康保険適応で窓口3割負担の患者様の場合)
粘液嚢胞摘出のリスク
①再発することがある⇨尖っている箇所や歯列不正が放置されたままだと再発リスクがあります。
②神経損傷⇨下唇の大きい粘液嚢胞を切除した際に、オトガイ神経下唇枝を傷つける可能性があります。
③切除後のしこり⇨瘢痕化治癒と呼ばれる治り方をするため、弾力性が無くなったように感じます。
④顔の歪み⇨下唇の大きい粘液嚢胞を切除した場合、下唇の形が一時的に変化するため、顔が歪んだように見えることがあります。